会長挨拶

米沢 俊一 さて、この3月11日の震災、4月7日の余震で東日本の太平洋沿岸は壊滅的打撃を受け、2ヶ月過ぎたのにもかかわらず復興にはまだまだ程遠い状況です。被災された方々には心からお見舞い申し上げると同時に、心身ともに傷を負った子供たちのこれからの健康が心配される状況です。われわれ小児科医は全霊を捧げてこの子供達のために医療的ケアをしていかなければと考えます。

 こういう状況の中で心苦しいですが、この度盛岡にて第38回日本小児栄養消化器肝臓学会をお世話させて頂くことになりました。幸い、盛岡は震災の被害は少なく、10月には通常通り、本学会が盛岡の地で開催可能と考えております。この震災で若干、スケジュールが遅れ、皆様にはいろいろ迷惑をおかけしていますが、学会成功に向けて事務局は日夜努力しております。ご承知のように私は小規模こども病院の院長であり、全国学会をお世話するにはきわめて非力であります。しかし、学会の運営にあたりましては、22年4月の日本小児科学会を当地で主宰した岩手医科大学小児科の先生方のご協力を頂き、当学会が実り多き会となるように全力を傾注する所存です。

 また、今回は前年の小児科学会とは趣むきを異にして、湖と名峰岩手山を望める風光明媚な場所にあり、盛岡の奥座敷といわれているつなぎ温泉ホテルをほぼ借り切って行うことにしました。そのために、参加会員の先生方には相部屋をお願いし、大変ご迷惑をおかけしますが、この学会はほとんどの先生がお知り合いです。これを生かして3日間缶詰になり、寝食ともにして、学問と懇親を行うというのも一興だと思います。つなぎ温泉の近くには車で10分ほどの距離に小岩井農場があり、ふと、学会に疲れたら息抜きに訪れてもいい場所です。

 学会のテーマは「臨床にこそ原石が!」を掲げて臨床の場からこつこつ症例を集めて、今まで教科書に掲載されていない症例を通じて病態を解明していくことのすばらしさを訴えたいと思います。そのためにプレコングレスとして教科書的な症例と違う、診断・治療に難渋した症例について症例検討を司会者の謎解き方法で行い、最後に診断・治療のポイントを専門家からアドバイスを頂くというスタイルで行いたいと思います。プレコングレスですので皆で温泉に浸かったあとに普段着で、夜の軽食を取りながら侃侃諤諤の議論を行いたいと思います。

 最後に学会の学術的テーマは「乳児から思春期の粘膜免疫」をテーマに世界のトップリーダーであるイギリス・ロンドン研究所、MacDonald 教授と東大医科学研究所の清野先生を招待して粘膜免疫の基礎から臨床への学術的なお話をお聞きした後に粘膜免疫に関与する疾患についてシンポジウムを開きたいと考えております。

 学会がすこし会長の独断と偏見により消化管に偏りすぎたきらいがありますが、他の栄養、肝臓部門には十分配慮しながら開催していきたいと思います。

 ぜひ、山の方は紅葉の始まるみちのくの秋を楽しみに盛岡にいらしていただくのを心からお待ちしております。

第38回日本小児栄養消化器肝臓学会
会長 米沢 俊一

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